「二十歳の原点」
- sunsetgang
- 2023年5月14日
- 読了時間: 2分
更新日:2023年5月16日
これはもう、あまりにも有名すぎる本ですね。京都の「ジャズ喫茶」を紹介する際には必ず登場する本でもあります。1973年には原作をモチーフにした映画も公開されています。また2019年には、内容を分かりやすく要約した形のコミック版も発売されました。
Amazonの商品説明から拝借すると、著者の「高野悦子」は栃木県那須郡西那須野町生れ。立命館大学文学部史学科に入学後、社会・政治問題に関心を持ち、部落問題研究会に入部したり、学内バリケードに入るなどの活動を経験するが、20歳6ヵ月で鉄道自殺を遂げる。中学時代から書きつづけていた日記が、死後に『二十歳の原点』(1971)、『二十歳の原点序章』(1974)、『二十歳の原点ノート(1976)として出版され、いずれもベストセラー。
さて、著者の「高野悦子」が、恋愛や学生運動に疲れた時に、唯一のやすらぎの場所として立ち寄っていた喫茶店が「しぁんくれーる」でありました。現在は衣笠キャンパス、朱雀キャンパス、びわこ・くさつキャンパスなど複数のキャンパスに分かれている立命館大学ですが、「高野悦子」の時代は「しぁんくれーる」のすぐそばに「広小路キャンパス」があり、彼女もそこで学生生活を送っていたんだと思います。ちなみに、「広小路キャンパス」から「衣笠キャンパス」への移転は1965年あたりから始まっており、私の記憶では1981年頃に全学部の移転が終わりました。その跡地の建物の一つは「関西文理予備校」になったのではなかったかと思います。ちなみに『二十歳の原点』の中で訪問しているジャズ喫茶では、「しぁんくれーる」以外に「ダウンビート三条店」や「リザ」も登場しています。
『二十歳の原点』に感銘を受けた読者、特に女性が数多く「しぁんくれーる」を訪ねたと聞いています。現代の聖地巡りみたいなものですね。ひょっとしたらですが、1970年創刊の『an・an(アンアン)』や1971年創刊の『non-no』(ノンノ)などの京都特集に「しぁんくれーる」などが紹介されていたのかもしれません。実際に「磔磔」なども紹介されており、音楽とは全く無縁のアンノン族が顔を出していたという状況もあったみたいです。(※詳しくは「磔磔」の紹介をお読みください)
『二十歳の原点』に登場していたジャズ喫茶、残念ながら「しぁんくれーる」を始め、「ダウンビート三条店」「リザ」なども閉店してしまいました。
【画像出典】ヨドバシ.com
https://www.yodobashi.com/product/100000009000978868/
