「京都夢見小路」
- sunsetgang
- 2023年5月13日
- 読了時間: 2分
更新日:2023年5月16日
1985年に発行された、京都在住のイラストレーター「永田萌」さんのエッセイ集。京都の水でとくカラーインクのたおやかないろどりと、「永田萌」さんの京都の思い出や、自身の暮らしぶりが、とても優しい言葉で綴られています。そのエッセイの一つに紹介されているのがジャズ喫茶の「流薔園」です。
「流薔園」は、私自身、音楽喫茶の所在地をプロットする過程で知ったお店でもあります。雰囲気としては、ジャズをメインに流している中、アクセサリーなども販売していたお洒落な「音楽喫茶」という感じでしょうか?
実はこの店があった場所が分からないんです。「京都夢見小路」の中では〝ある春の日の昼下がりのことでした。うららかな日ざしに誘われて、今日の東、哲学の小径を歩いたことがありました。疎水に散っては流れてゆく桜の花びらを追いかけるように、法然院の近くまで来たときのことです。土手の小さな石段を降りた所に、古いしもた屋ふうの家があって、入り口に手描きの薔薇の絵と、流薔園という文字の書かれた看板が出ていました。〟と紹介されています。「流れてゆく桜の花びらを追いかけるように~」ですので、銀閣寺方面から疎水沿いを下って行ったものと思われますが、場所が分からない。
エッセイによると、永田萌さんが懇意にするようになってから二年ほどでお店を止めてオーナー夫婦は北海道に引っ越しをされたみたいです。「流薔園」に関する記述は「京都便利帖 Vol.4 1981年」を最後にありません。おそらく1982年頃にお店を閉められたのではないかと思います。エッセイを読むほどに、オープンしていた当時の「流薔園」に行ってみたくなります。

