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京都モザイク005「京都音楽空間」

  • sunsetgang
  • 2023年6月16日
  • 読了時間: 3分

2003年10月に発売された、京都の音楽喫茶・スペースを紹介したガイドブック。

店舗の紹介のほかに、「“音楽の聖地”京都の変遷。」というコーナーでは、「ひさうちみちおの極私的音楽体験」、「京都・ジャズ喫茶文化」、「“関西フォークブーム”と京都」、「京大西部講堂伝説」、「パンク/ニューウェーブ、クラブカルチャー、そして京都の現在」の5本のコラムが掲載されており、「音楽喫茶Map」にプロットしているお店が数多く登場します。


「ひさうちみちおの極私的音楽体験」

・京都には老舗のジャズ喫茶がたくさんありましたけど、僕はあんまり行かなくて。でも「CARCO'20」という店にはよく通いました。

・その頃は、ロック喫茶もたくさん出来た時代で、有名なんは「MAP」とか「縄文」とか「」とか。僕は家の近所にあった「ピエロ」や、百万遍の「ダムハウス」によく行きました。汚い店でねぇ、まともにちゃんと買うたなっていうもんは何一つないとこで。2階はヒッピーが住んでいるような感じでした。

・東京から京都に戻ってきたのは79年で、いわゆる80年代というもんが迫りつつあったんですよ。・・・当時よく行ってた店は「バタリングラム」。そこはタイルとか冷たい感じの格好いいところでねぇ。かかっている音楽はニューウェーブで、トーキングヘッズとか。あと「クラブモダーン」というディスコや、そういえば「飢餓」っていううるさいロックみたいな店が80年代に入って行ってみたらカフェ・バーみたいになってて、名前も「KAZABANA」に代わってたりしました。


「京都・ジャズ喫茶文化」

・60年代中頃から70年代にかけて、京都には数え切れないほどのジャズ喫茶があった。そして彼女(高野悦子)のように多くの学生たちが、人生を模索する時間をジャズ喫茶で過ごしていたのだ。

・「しあんくれーる」のほかにも、河原町蛸薬師の「蝶類図鑑」、木屋町の「LADY DAY」「JERU」「呼び人」、寺町今出川の「SMスポット」「幻潜館」、四条堺町の「The Man Hall」、河原町三条の「ZABO」、北白川の「メルヘン」「黙示録」、烏丸丸太町の「ケント」、夷川通りの「モンローウォーク」、熊野神社近くの「YAMATOYA」「きまぐれ亭」「サンタクロース」、叡山電鉄・元田中駅付近の「プロボクサー」、伏見区の「Beetside」、東山区の「McCall's」…これでも、わずかほんの一握りにすぎず、ピーク時には40件以上あったと言われている。 ・全国的なジャズ喫茶ブームのなかでも、京都には“サロン的”な空気を持った店が多かった。そもそも(学生運動の)運動家たちの派閥が東京に比べ京都は非常にゆるかったこともあり、なかでも四条の「DOWNBEAT」や「blue note」には、若い学生たちが集まり、ジャズに限らずいろんな音楽、芸術といった文化を新しく発信していこうという空気が漂っていたという。また、今出川の「52番街」や河原町三条の「BIG BOY」といった店ではライブも行われ、学生たちの発表の場になっていた。


 
 

Chiba City SHIMUCHIN_33

©2023 京都音楽喫茶記録帖。Wix.com で作成されました。

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